Kai Althoff という男

ドイツのWorkshop

2014.
02.02

ムーブメントやシーン、どこからきてどこに向かうのか、なんともわからない存在。時代と関係なく何回も再発見されうるバンド、workshop。3人のメンバーの一人が、Kai Althoffだ。1966年生まれなので、2014年現在で48歳か。彼のヘロヘロ高めの声がなんともツボでいろいろと買い集めている。
なかなか日本語でのデータがないのと、workshopという汎用的な名前から、なかなか全貌がわかりにくい、彼らのことを自分なりにまとめてみた。

workshopのアルバム

ファーストアルバム 「ワークショップ登場」(邦題) 1990

Workshopはドイツはケルンの90年代のサイケデリックパンクバンド。ゆらゆら帝国の坂本氏のスタジオボイスのマイベスト企画の紹介で知ったファーストは山小屋のセッションを編集して作られたとのことで、呪術的なモゴモゴなボーカルと曲の成立の危うさと曖昧さが真を食ったような一枚。後に混ざり合って行く様々な要素のないプレーンなサイケデリックパンク。なんでこんなに、夕暮れな熱量が全体に広がるのかわからない。

ちなみにこのファーストはゆらゆら帝国の限定ライブのチケットをゲットし、先輩にもおすそ分けしたところ、お礼として物販で売られていたものを買っていただいた。
サポーターにキャプテントリップが入っていたのかも知れないが違うアーティストのCDを売ってるなんてあまりないんじゃ?

セカンドアルバム Welcome Back 1992

セカンドは時代がすすんで、81年ぐらいに出したかのようなニューウェーブ、ポストパンクなアルバム。ガチャガチャ感は相変わらずだけど確実にテーマを切り替えた感がある。
ダブあり、フェイクファンクあり。。。ファーストが赤色でセカンドは青色というジャケ通りな音たち。

サードアルバム TALENT 1995

サードアルバムはテクノです。サンプリングや打ち込みを駆使しながらズンズンとすすんでいく。ノイやカンの反復感が歌から曲全体に侵食されたという感じか。セカンドが五分以上あるような曲が並んでいたのに対してこっちは二分未満の小曲がならぶ。
canのI want more を使っている、、、などモロ。宅録トイテクノ。

4thアルバム Meiguiweisheng Xiang 1997

gift mix trackを含めて、計4曲のアルバム。7分、14分、24分と一曲が長いが、これまでのセッションとテクノ、サイケなどなどこれまの要素が混在したアルバム。
全体的にバンド編成でカンのタゴマゴあたりの不思議な浮遊感と陶酔感がある。意外と一番生々しく激しいアルバムかも。

97の美術館でのセッション?

5thアルバム Es Liebt Dich Und Deine 2001

冒頭からタブラのような音やその他もろもろなパーカッションとアコースティックなサウンドで作られるグルーヴミュージック。今までは英語で歌う曲が多かったけど、ここからは結構ドイツ語?の歌が多い。アコギなどと、ドイツ語の響きが相まって、霧の森の中で静かに作られた音楽みたい。

6thアルバム Yog Sothoth 2004

蛍光の黄色とグレーのシンボリックなジャケがあれ?ってなる6枚目。内容も前作とはまた180度違う、ハッピーなクラブミュージックをはじめとしたソリッドな感じの仕上がり。なにより、なぜか全編声にボコーダー的なエフェクトが。。ただ内容は、3枚目と4枚目の2000年版という感じで相変わらずのかっこよさ。

その他の作品

Subtle Tease “The Goings of An Offer” 1997

Kai AlthoffとJustus Köhncke (Whirlpool Productions)によるユニット。1997年なので、4thアルバム Meiguiweisheng Xiangと同時期に作られたもの。
クラブ寄りなハウスサウンドを全面に出しつつもKai Althoffのよれよれボイスは健在。

FANAL

Kai Althoffのソロ名義の作品。現在 2と3はsonigから出ているが、1があるのか、その他は不明。
基本インストの打ち込みなんだが、なんとも人間味の出たなんかちょっとすごい感がにじみ出ていておもしろい。
※ 2015/04/19 追記、 FANAL4が2014年に出てた。こちらは前作より歌への比重が高いかも。相変わらずのへろへろボイス

画家 / 芸術家として

実は画家でもあるみたいで、おそらく最近はそちらの方がメインなのかな。多分1stや5thもKai Althoffの作品?
ギャラリーなどのサイトの紹介ページ一覧

その他のメンバー

Stephen Abryは写真家?音楽もやってる。

Stephen Abryで検索するとphotographerのポートフォリオサイトが出てくる。絵描きと写真家って。。
他にも、Pantha Du Princeのアルバムに参加したりと、色々やってるもよう。

Kai Althoff Ashley

おそらく彼ら周辺で持っていないのがAshleyという絵もパッケージしたLPでKai Althoff全開な一枚。
AMAZONドイツでデータはあった。
昔どこかのブログで紹介されていた内容では、60〜70年台の雰囲気ぷんぷんのものだったみたい。いつかはゲットしたいな〜。

参考

自分でまとめていて、少し追っかけ具合が異常だなと思った。。あ〜いつかドイツ遊びに行って、本人に会いたいな。。

※ amazonだと廃盤&高値も多いけど、BOOK OFFとかで300円とかよく見かけます。。。

最近聴いた音楽(2016年前半)

今発表され続けてる音楽って人生何回分のデータ量なんだ

Kool A.D. / Hi'spec / PERE UBU / Jerry Paperなどなどなど2016年6月に出会った音楽をすらすらっとご紹介。少しアンテナをはるとすごい情報量です。追いかけるだけで時間が足りない。。

2015年俺の10枚(聴いた基準)

やっぱりロックが好き

気づけば年の瀬、大晦日。2015年を振り返ります。

メロコアとミクスチャーハードコア

メロコアとミクスチャーハードコア、とエモ - 90年の終わりと00年の手前

当時、4バンドのうち3バンドがハイスタのコピーバンドだった経験をもとに90年終わりごろのメロコア / ミクスチャーブームを振り返ります。

Numero Groupが”Project 12″を発表

季節ごとに3枚ずつで計12枚。間違いないのを送るから待っててね

レコード主義"Numero Group"のApple Musicをはじめとするストリーミング定額サービスへの返答!といわんばかりの"Project 12"。概要を訳しましたのでみなさん375ドルを出すか悩みましょう。

冬のはじめに聴く音楽

DEADとサイケたち

「サイケ」の季節はなんですか?私には毎年冬になると聴くアルバムがあります。 自分の中での冬を迎える儀式のように。紅葉のような音楽なんですかね。

アップルミュージックの無料が終わり、ディスクユニオンが大阪にオープンする

音楽の買い / 聴き方

アップルミュージックは無料期間3ヶ月が終了し引き落としがはじまった。ディスクユニオンの大阪オープンが今週金曜(11/6)に迫ってきた。今まで完全にモノ原理主義者だったけど、この3ヶ月でなんとなく買い方・聴き方がかわった気がするのでその事を少し。

Markdown Cheatsheet

マークダウンをwordpressで慣れるまでカンニングするプラグイン

マークダウンを使えるようにするプラグインは多いけど、書いてるときにパッと見れる早見表は見当たらなかったので作りました。マークダウンを使いはじめてまだ、全部空で書ける訳じゃない。よく忘れる。という方がいたらお試しを。

recoya(レコヤ)<=RECODATA

レコード屋検索のWEBアプリを作りました

ちまたでは、レコードストアデイということで、記念リリースやなんやらで賑わっていますが、ひっそりとお店派レコードコレクターのためのWEBアプリを作りました。RECODATA(レコデータ)といいます。recoya(レコヤ)に変更しました。

2014年間ベスト おれの10枚

2014年はテクノ元年?

遅ればせながら、おれの10枚-2014年を発表します。一年での振り返りは興味の流れが数珠繋ぎのように流れていって面白い。

Jerry Paper @ space eauuu 1/12

ひさしぶりにイヤな奴をみつけた!

Jerry Paper / Homeshake / eul のJapan Tourの初日、神戸のspace eauuuに行ってきた。Jerry Paperは、前々日に教えてもらったところで、PVが気持ち悪く、音楽がツボで最高だったので、ライブはまたまた、いい感じになめた感じでした。

2014年RRAP 忘年会 プレイリスト

音楽好きの野郎が20人ぐらい集まってあーだこーだ

2014年のそれぞれの一年間のベスト的なものを神戸元町のレコード屋の常連が集まって振り返りながら、鍋を囲む会。

男・油・汗サウンズ

平井堅が開いてます

前から男臭いレコード棚だなとは思ってましたが、今年はさらに汗が飛び散るような、やつにはまった年のような気がする。

勝手に友達’s best. Vol 1 ~友人T~

ポップ・ノリノリ・ひねくれ・アホっぽい

人から見た自分、自分から見た自分は違う。当たり前か。mixiで他己紹介っていうのがあったけど、私に見せてるある友人のベストアルバムだと思う音盤を偏見まみれに勝手に紹介。

映像のある/未完の音楽

サントラもしくは映像的な音楽。

サントラというものは特殊な音楽だ。ロックだろうとジャズだろうとクラシックだろうとサントラ用に作られたものには余白がある。

フェイク フック 妄想

今/話題のフェイク

フェイクは真似だけど、経験しちゃいかん。多大なるリスペクトとともに思いっきり誤解をしないと。

90年代のスカコアなど

青春、スカコア、スカパンク

最近よく思うのは、スカパンクって人気ないなぁ。というかあの90年代末の中でもどこにも吸収されずに消えていったなと感じる。今改めて聞いても、なんとも収まりのつかない愛すべきスカパンク、スカコアをば。

Arthur / Martin / Mono / Saitoh

夢な音楽たち その1

ドリーミーなという形容は良くあるけど、この種の形容で紹介される音楽は夢というより、夢見心地な気持ち良く、やわらかい音楽が多い。

Tigran Hamasyan “Shadow Theater”

呼びたくなる名前、ティグラン

アルメニアのピアニストによる2013年作(Verveより)。レコードショップの店長に教えてもらったものだけど、、、なんかちょっとすごい。

PERE UBU “WHY I REMIX WOMEN”

PERE UBUのジャンクなWomblife

John Faheyにとってジムオルークのプロデュースは他人(下の世代)からの投影を受けてもう一度自分を形成させることだった。PERE UBUにとってのオルーク的存在は、Keith Moline(two pale boys)だと思う。

BLUR 2014/01/13 zepp divercityにて

ロックスターを感じる

なかなかのお金をつぎこんで、ブラーを見るためだけに東京に弾丸ツアーに行ってきた。あんなライブは久しぶりだったな。

2013年間 ベスト

ブリットポップ元年 = 2013

2013年は、ブリットポップとミクスチャーが大ブームだった。Limp Bizkitの"nookie"をよく聴いたな〜〜

Only lovers left alive by Jarmusch

長生きしたら丸くなる

全然映画に詳しくないが、毎回新作がでたら映画館に見に行く、ジャームッシュ。今日の増刊号で内田裕也が自分の年齢をロック+5才って言ってたな。

THE EX(グ音楽講座 vol.24)

全ての周辺の中心

ひと月ぐらいあいてしまったけど、グッゲンハイムの音楽講座に行ってきたときのこと。THE EXの映像やTom Coraがらみのことがおもしろかった。

big city orchestra

ありがたいもの。

タイトルは「Greatest Hits And Test Tones」。ザ・ベスト & 素材集 ということで、個人的ノイズ系ベストアルバムのひとつ。

合奏曲「橋」高円寺北中音楽祭

再初期の音楽のかたち

東京行ってきたシリーズ、その2。京都時代に個人的ヒーローの1人だった細胞文学ギター斎藤友秋氏。 同氏の作曲した合奏曲が道に聴こえていた。

大トマソン展@新宿眼科画廊

トマソンが大量にある状況

なんともタイミングよく東京に行く機会があり、”超芸術探査本部トマソン観測センター”(いい名前)、まさに元祖のトマソン展に行ってきた。 2013年11月2日

90’s飲み会@のらまる食堂(2013/10/26)

90年代はおもしろい。

ぼんやりと企画していた、90年代飲み会イベントをひっそりと決行した。

BLUR “Charmless Man”

中二以来の中二病

今回はUKだ。オアシス、ブラー、レイディオヘッドとほぼUKをスルーしてきたが、ついにUKブームがやってきた。

関心ごと一切(2013/08)

一度整理してみる

なにかと気になるブログだったり、レーベルだったり。。つどつどSNS関連でメモするよりまとめた方がわかりやすいので。

Joseph Spence “Happy all the time”

カリブの浜の男

バハマの陽気なブルーズを奏でる漁師。音楽からよっぱらいのおっちゃんの生活が見えてくる。

加藤 巧 “Butterfly”(2011)

絵を初めて買った。

「絵」ってのは今まで鑑賞するもので、買うものとは見てなかった。今回、買うつもりで絵を見て、買った。

神戸明生園作品展@海文堂

海文堂の2Fの奥にて。

去年に引き続き、神戸明生園の作品展に行ってきた。

今和次郎「モデルノロヂオ」

ずっと前から今をくすぐる

去年の4月から6月にかけて、このサイトでもその名前を拝借している、「考現学」の今和次郎の展示が民博であった。

THE EX “TURN”

フガジ、エチオピーク、ヨーロッパ

なにこの「フリーキー」。 オランダという土地がそうなのか、パンクの初期から続ける彼らのスタンスがそうなのか。

音楽の縮図

音楽好きの生活の記録

ワタシは音楽というモノが好きで好きでタマラナイ人間でありまして、・・・・・毎日聴いたCDのタイトルを執念深くメモに取って記録し始めた結果、こんな本が出来上がりました。(序にかえてより)

年間ベスト(おまけ)

ハードコアとモンチー

レコードオタクは一年を振り返り、自分の聴いてきた歩みを確かめる。さらにそれぞれ、の歩みを確認したがる。友人の2012年、年間ベストを発表。

2012年-年間ベスト

何年か越しで良さに気づいたストロークス

2月も半ばですが、去年(2012年)の年間ベスト10ぐらいを発表します。

細野 晴臣 “HoSoNoVa”

細野「異邦人」アゲイン

今作の宣伝用のポスターを見た時、「細野さん、顔色悪いなぁ、大丈夫かなぁ」と思った。というか顔が土色で陰が強くなってたんで、そろそろやばいんじゃ・・・と正直思った。

Pere Ubu “Song Of The Bailing Man”

荒野で鳴るアバンガレージ

5th。レコードでは45回転、約36分でミニアルバムに近いか。

Pere Ubu “The Art Of Walking”

スカスカ感 X 角度ずらし感

4th。 前3作で活躍していたTom Herman(ギター)に代わり、テキサスからの道先案内人=Mayo Thompson(Red Krayola)が加入。

Pere Ubu “New Picnic Time”

ピクニックピクニック

3rd。1st"Modern Dance"2nd"Dub Housing"3rd"New Picnic Time"の3作のレコーディングのメンツは同じ。

ECD “失点 in the park”

日々を歌う=ブルース

暗い!派手じゃない!格好つけない! 学生のときの周りにいた「B-BOY」とは、ほんとに真逆のHipHop。

Pere Ubu “The Modern Dance”

Avant Garageたる所以

記念すべき1st。どこまで走るのか・・・・・。

Rocket From The Tombs “The day the earth met the…”

PERE UBU と DEAD BOYS

PERE UBU(またはDEAD BOYS)の前身バンドのデモ&ライブトラック集。つまりは始まり。

Flying Lizards “The Secret Dub Life of the Flying Lizards”

宅録のダブマナー

Flying LizardsことDavid Cunninghamはプロデュース業においても要所要所で活躍している。This Heat・Plais Schaumburg などなど。

Flying Lizards “Top Ten”

宅録のカバーアルバム

Flying Lizardsの3rd。 もはや時代の音として定着している。

Flying Lizards “Fourth Wall”

49 americans の 2ndのように名盤

Flying Lizardsによる「Music Factory」に続く 2nd アルバム。

Flying Lizards “Music Factory”

いろいろに結実

Flying Lizards名義での1st アルバム。「段ボールドラム」「屠殺場跡で録音」「歌の下手な友人を起用」など、なんともソソる、ワードで埋め尽くされたアルバム。

Arsenio Rodriguez “Quindembo”

エレガントかつパンキッシュ

学生時代、ドイツ人の留学生に会った時に、ジャーマンロック(クラウトロック)のバンドを嬉しくて連呼したが、「???」の連続だった。

Group Inerane “Guitars From Agadez (Music of Niger)”

永続性と汗とミニマル

「辺境サイケ」すごい言葉です。 本作は、Sun City GirlsのALAN BISHOPが運営するレーベル「SUBLIME FREQUENCIES」からの作品。

John Fahey “Red Cross”

ブルースの円周

元々はレコードオタクで戦前のブルースを収集していた同氏。それだけでは気が済まず、Blind Joe death という如何にも黒人ブルースマンな芸名でガソリンスタンドのアルバイトで貯めたお金でレコーディング/デビュー。

ミンガリング・マイクの妄想レコードの世界 アウトサイダーソウルアート

ヘタクソなブラックミュージック

ブラックミュージック。力強いリズム、はたまた流れるようなグルーブ、迸る汗。堅苦しいイメージはない。どこまでも大衆音楽であり続けるのがブラックミュージックのひとつの特徴だ。

Johnny Cash “American 4: The Man Comes Around”

おじいさんの素直ほど恐いものはない

年老いてからじゃないと、できないこと。 このアルバムにはじめてあったのは、中3の時、ひたすらMTVをみて、メロコアとかグランジを追いかけていた時だった。

Pere Ubu “Dub Housing”

アホの上に、違和感が

Pere Ubuの作品の中では、いわゆる「名盤」の扱いとなり、よく雑誌に載っている2作目。

赤瀬川原平 “超芸術トマソン”

すでにあるものしかない

高校時代の太っちょの社会の先生が夏場ポロシャツ一枚で授業をしてた。薄手なのか、フィットしすぎなのか、乳首が完全に浮いてる。

George Coleman “Bongo Joe”

おっさんの音楽

テトリスのゲーム実況を下町の商店街で酔っぱらったおっさんがやったらこんな音楽になるんじゃないかな...。